
以前、こんな動画がShortsに流れてきました。正確には違うんですが、同じ動画が見つけられなかったので代用。
物理を勉強したことのある方や、勘が良い方はわかると思うのですが、パッと見ヨッシーの動きがおかしいです。
簡単に説明すると、本来ならヨッシーがジャンプしている間は、時計の針の上に留まり続けるのではなく、時計の外側に飛んでいくはずです。物理学っぽく言うと、針の上にいる間は摩擦で留まり続けるっていう説明でゴリ押せるんですが、ジャンプしたらヨッシーに平面方向には力が働かないためジャンプした瞬間の速度で飛んでいくはずです。
しかし、ぐるりんクロックでは飛んでいる途中も針についていきます。
今回は、そんな現象を大学で勉強したことを使って正当化してしまおうというお話です。
方針
ヨッシーとヨッシーが乗っている針を静止させて、観測者(カメラ)や時計自体を動かす
観測者の座標系を動かす方法です。例えば、私たちが電車に乗っていたら外は実際は動いていないのに動いているように見えますよね(もっと広く見れば動いていますが)。つまりはそんな感じで都合の良い座標系を探します。
結論
考察過程は拒否反応が出る可能性があるので、興味がある方は読んでみてください。
結論を言うと、なんとか正当化できたと思います。間違えていたら教えてください。

緑の点Yはヨッシーの位置です。
青い矢印は避けるバーです。ほぼ飾り。
オレンジ色の要素は時計です(A:12、B:3、C:6、D:9)。
原点で回転する座標系でヨッシーを見ることによって、ヨッシーが乗っている針が回転しているように見えます。
静止座標系での様子(正当化の結果)
回転座標系での様子(プレイヤーが見る映像)
考察
静止座標系x-yを定義する。また、x軸、y軸方向の単位ベクトルをi、jとする。
ヨッシーはジャンプしても針の上に留まり続ける必要があるため、ヨッシーと、ヨッシーが乗っている針は静止座標系で静止していなければならない。
そこで、
半径Rの時計の中心を(x,y)=(0,0)
静止座標系でのヨッシーの位置を(x,y)=(R,0)
で定める。

次の(x,y)=(0,0)を軸として、時計と共に回転する回転座標系x’-y’を定義する。また、x’軸、y’軸方向の単位ベクトルをi’、j’とする。
x軸とx’軸が成す角度をθとすると、以下の式が成り立つ。
i’ = cos(θ)i + sin(θ)j
j’ = -sin(θ)i + cos(θ)j

x’-y’上でのヨッシーの位置ベクトルを以下のように考える。
r = x’i’ + y’j’
x-y上でのヨッシーの位置ベクトルは
r = Ri
つまり、
x’i’ + y’j’ = Ri
書き換えると、
x'(cos(θ)i + sin(θ)j) + y'(-sin(θ)i + cos(θ)j) = Ri
整理して、
(x’cos(θ)-y’sin(θ))i + (x’sin(θ)+y’cos(θ))j = Ri
よって、
x’cos(θ)-y’sin(θ) = R
x’sin(θ)+y’cos(θ) = 0
連立方程式を解いて、
x’ = Rcos(θ)
y’ = -Rsin(θ)
x’-y’上でのヨッシーの位置は、
(Rcos(θ), -Rsin(θ))
この軌跡は中心が(x,y)=(0,0)で半径がRの円となる。また、周期は回転座標と時計の周期と等しいことが確認できる。
よって、x’-y’座標はゲーム内でプレイヤーが見る映像と同じであることがわかる。
あとがき
最初は「観測者が平面上を移動する回転座標として考えなければならないのではないか」と思っていたので、想定よりも楽に正当化できました。
今は、どこか勘違いして考察していないか不安です。
あと、最初に空想科学読本に憧れているとか言っているわりには物理以外の科学がまるっきりわかりません。
今後も、物理学だけで何か面白い考察ができたらなと思っております。授業の復習にもなってとても良きです。
役職:裏方
空想科学読本に憧れがあるのでそんなのを書きたいと思っています。今回は、2022年度香川大学全学共通科目「物理学Aホ」の内容を参考に執筆しました。大学生っぽいね。
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